経済性の深掘り
ポケモンカードの使用可能期間は、レギュレーション(以後レギュと記述)により異なります。
他方で、世の中にあるデッキ紹介記事において、デッキ構築費用に紹介される参考価格は名目価格(カードショップにその時点で販売されている価格)であり、実質価格(レギュを加味した実質的な価格)での表記は見受けられません。(2022/07/26時点)
本来、プレイヤーにとってデッキ構築に掛かる経済的負担は、レギュ込みで考慮すべきであるはずですが、そこまで踏み込んだ考察・提言が中々出回っていないこともあり、購入に対する心理的障壁となっていると考えられます。
そこで本記事では、名目価格・実質価格を定義し、ジュラルドンVMAXデッキを例に、実質価格について明らかにすることで、カード購入や新たなデッキ構築の一助とすることを目的としています。
名目価格と実質価格について
名目価格
本記事での名目価格は、現時点でのカードショップ販売価格を表します。
具体例でいうと、ジュラルドンV(鋼)の名目価格は、1,580円です。(参考:カードラッシュ様 2022/07/25時点)
カードショップの販売価格は、需要と供給がバランスした価格であるため、レギュの影響を少なからず反映していますが、値下げの反映速度が遅くなり気味です。
私見ですが、カードショップの主要な管理項目は、在庫数と粗利率・額で、バッファの調整を買取で行っているため、安易な値下げを行わないことが通例になっているからと推察します。
実質価格について
本記事での実質価格は、レギュを加味した係数を名目価格に掛け合わせた価格を表します。
現在、スタンダードで使用できるカードのレギュはD、E、Fのみです。
レギュは毎年更新されており、ざっくりですが、2020年発売のカードはD、2021年発売はE、2022年発売はFとなっています。
この例を踏襲すると、恐らく来年の1月以降に発売されるカードはGレギュとなり、発売以後速やかにE、F、Gのカードプールが新スタンダードルールとなるでしょう。
つまり、レギュDの使用可能期間は2022年7月26日~2023年1月15日(?)の約0.5年、レギュEは約1.5年、レギュFは約2.5年です。
ここで、カードの使用可能期間が1.5年を標準的な期間とした時、レギュによる使用可能期間の逆数を掛け合わせると、レギュDは3.0、レギュEは1.0、レギュFは0.6となり、これを「実質係数」とします。(計算内訳:レギュD…1.5/0.5=3.0 レギュE…1.5/1.5=1.0 レギュF…1.5/2.5=0.6)
これをジュラルドンV(鋼)を例にすると、
「実質係数」×「名目価格」=3.0×1,580円=4,740円
となり、レギュD、レギュFが与える影響は非常に大きいとわかります。
アルセウスVSTAR×ジュラルドンVMAXの価格
画像の通り、名目価格が21,540円、実質価格が34,244円となります。
これほど乖離している要因として、ジュラルドンV(鋼)、クイックボール、しんかのおこう、大きなおまもりなどの高額なレギュDが、実質係数によって、実質価格により大きく反映されることが挙げられます。
仮に、ジュラルドンV(鋼)をジュラルドンV(竜)に変更した場合、名目価格が21,540円→18,540円、実質価格が34,244円→24,924円となり、名目上の価格負担の減少はもちろん、実質的な価格負担においては約1万円も抑えることが出来ます。